製作ドキュメント自動制御盤ができるまで vol.1

デンキのお仕事~プログラム設計編~

1 お客様との打ち合わせ1

お問い合わせや製作の依頼をいただいた装置の「自動制御盤」を製作するにあたって、最初の
お見積を、またより良いご提案をするべく、まずお客様と打ち合わせを行います。当社は量産品
より一品物と呼ばれる、一つ一つ異なるオーダーの装置を作るケースが多いので最初のお打ち
合わせ、お見積りが重要になります。

2 お見積り

お客様から頂いた仕様書や様々な図面、またお聞きした構想から、「制御盤本体」「制御盤部品」
「電気図面」「シーケンスソフト」等の値段を算出します。購入する電機部品はもちろん、昨今では
材料代も高騰しているので、自分たちの工費・設計費だけでなく、迅速にトータルで見積りする能
力が問われます。見積はパッと見てわかりやすいものがベスト、お客さんに良いイメージを持って
もらうことで、大きな受注にもつながります。

3 お客様との打ち合わせ2

受注後、制御盤を製作するにあたって不明な点等を無くす為に、見積り時より詳細内容をつめる
べくお客様とより深く打ち合わせを行います。予算内でより良いものを作る姿勢はもちろん、お客
様の望まれている製品の仕様をしっかり把握することが最も重要です。
仕様書をじっくり見ての技術的な確認はもちろんですが、実は技術的なこと以外の基本的な部分、例えば話を聞く姿勢であったり、身だしなみや敬語であるとか、初対面のお客様の「信頼」を早く得るため、社会人として基本的なところに一番気をつけています。
「技術者だから接客はイマイチ」で通用されるであろう方もおられますが、技術力+コミュニケーション力を要求される当社では絶対にないところです。お客さんと良いものを作る上で、まずしっかり信頼してもらえる関係をスタートさせる、それがとても大切だと感じます。

4 電気図面作成

仕様書や打ち合わせ内容に基づき「電気図面」を作成します。
作成する図面は主に制御盤の外形図・部品図・電気回路図になります。
作成後お客様に提出し承認を得れば、制御盤の製作開始です。

5 シーケンスソフト作成

仕様書や打ち合わせ内容に基づき「シーケンスソフト」を作成します。
シーケンスソフトとは各種機器の様々な動作を実現するもので、
産業用の装置を動かす上で欠かせない、いわばその装置の脳ミソです。
私の場合、装置つまりメカの構想を電気設計者として具現化することに最も重点を置いています。機械設計の方の構想通りの動きをプログラムできるよう、まずしっかりとした打ち合わせをすることが最も大切です。
ただ、構想に忠実に作りあげたものでも、機械設計の不具合をプログラムでカバーするといったケースや、現場でさらなる改良を求められたりと、かなりフレキシブルな対応を要求されます。社内でソフトを構築するだけでなく、現場でしっかり動くように対応できて始めて一人前、そこで目に見えてお客さんの信頼が得られるのだと思います。

6 社内検査

お客様の仕様書や打ち合わせ内容に基づき制御盤、シーケンスソフト等が正常に機能しているか
検査機器等を使用して検査します。

7 立会検査

お客様に弊社まで来て頂いて制御盤、シーケンスソフト等を確認して頂きます。
ご確認後お客様に「OK」を頂いたのち、制御盤の出荷となります。

8 制御盤出荷

制御盤出荷時に製品、付属部品等の積み忘れはないか?
納入場所等の最終確認や製品にキズがつかない様に指示したりします。

9 現地調整

お客様の所でお客様と一緒に機器類を動かして確認します。
全ての動作確認が取れれば現地調整は終了です。

10 終了処理

現地調整時の変更点や修正点等を図面に反映させ、
完成図書としてお客様に提出すれば終了となります。
設計の仕事は毎回異なるお客様と、その場その場での臨機応変な対応が求められる、非常にやりがいのある、おもしろい仕事です。
特にやりがいを感じた仕事を思い返すと、たいていは大変な苦労をした仕事。そういう意味では大変M的な要素の濃い仕事とも言えます(笑)。苦心して作ったプログラムで、最後、動きだした装置を前にお客さんに「ありがとう」と言っていただくのは何より嬉しいこと。一人でも多くのダイイチデンシファンを獲得すべく、これからもお客さんと向き合って、良い仕事をしていきたいです。

< 続きます >

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